宮ノ上畑

栽培葡萄

紫ブドウ

紫ブドウ

明治9年に新宿御苑より甲州葡萄が沢田(藤井寺)の農業試験場に来る前、天正(1573-1592)時代より正徳(1711-1715)、享保(1716-1735)・・・明治の初期まで大阪で栽培されていたぶどうです。太平寺の隣的安堂の農家さんから最後の1本を切るとの連絡を受け、穂木を取って宮ノ上畑に植えました。紫ブドウは甲州ブドウに比べて果実が大きくなりません。1週間ほど早く熟し、完熟すると皮の色は薄紫色になります。房の形も少し異なります。

 

堅下甲州

堅下甲州

国民が貧しく日々の食事にも困っていた為、明治政府は、お米が原料の日本酒や穀物が原料の焼酎は統制を掛けて量を減らし、山で栽培できるぶどうから葡萄酒を造り国民に飲ませようと考えました。そして余る程に生産が可能になったら輸出して外貨を稼ごうと考え、現在の島根県・鳥取県・大阪府・兵庫県・栃木県・宮城県に甲州ぶどうの栽培を命令して広めていきました。他の県には農業試験場からの苗木が分けられたのですが、大阪には何故か東京新宿御苑から今の藤井寺市沢田のぶどう試験園に来て試作されました。明治11年のことです。その後、大消費地に近い大阪の甲州葡萄は品種改良しなくても売れた為、ほぼ原型を残した形で今に続いています。

 

マスカット・ベリーA

マスカット・ベリーA

醸造専用に房を小さくし1つ1つの粒も小さくなるように栽培しています。そのまま食べてもおいしい葡萄で、近隣の観光農園ではこの葡萄のぶどう狩りもできます。弊社では昭和初期から70年以上栽培しています。もちろん70歳以上の古木もたくさん現役です。

 

マスカット・ベリーA

リースリング

宮ノ上畑にはリースリングも少しだけ植えています。最近は写真のような傘はかけていません。熟すと半透明になり、思わずつまみたくなるような特徴的な甘い香りがします。ドイツ系の品種なので垣根式で栽培されることが多いのですが、この畑では棚で栽培しています。レーズンになるまで木にぶら下げたまま残しておいてもおいしいです。

 

畑全景

畑全景-1 畑全景-2

 

畑の四季

畑-春の風景

春の風景

畑-夏の風景

夏の風景

畑-秋の風景

秋の風景

畑-冬の風景

冬の風景

土の様子

土の様子ー1 土の様子ー2

天然記念物の樹齢約800年の楠が生えている石神社のすぐ上にある畑です。神社の落葉で下の方は腐葉土が積もっています。井戸があり、牛蛙も住んでいます。

畑の特徴

自社畑の中で一番古い畑です。百数十年前、弊社がぶどう栽培を始めるきっかけになった畑で、ぶどうの前はみかんの木を植えていました。(今も棚の下に3本だけ植えてあります)必然的に古木がたくさん生えています。今の70歳以上の古木は初代から数えて2-3代目になります。昔は今の接木方式ではなく、そのまま挿し木で増やしていました。フィロキセラが大阪に来て以来接木が一般的になりましたが、弊社の古木で残っているものは接木をしていません。長生きの秘訣かもしれませんね。
ちなみに春の写真は紫ぶどうです。この畑で穂木を取り増やしています。
土の様子の写真は、畑チームだけでは作業が追いつかない為、製造メンバーも総出で畑作業をしている様子です。

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